かた先生の 教えて先生 質問箱

Q30801

去勢・避妊手術は「絶対」必要か?

かた先生の書いた「去勢・避妊手術のメリット・デメリット」を読みました。
家のチョッパー(M.ダックス・雄)も、1歳になりました。以前より行動が雄犬らしくなっていることを、日々感じています。それで、ここんところ悩んでいるのですが、つまり「去勢手術を受けるべきか?」どうか迷っているのです。
正直言って、私も男性ですので、同姓のものとして「去勢手術」なんぞをさせたくないのが本音です。去勢手術は、受けなければいけないのでしょうか?
かた先生の意見をお聞きしたい。

福岡市 チョッパ-の父

ウム~、鋭い質問です。
このことは、ニャンやワンを飼った人なら誰でもが悩む問題です。オスへの去勢手術であろうと、メスへの避妊手術であろうと、このことをズバッと割り切れる方は20%ぐらいの飼い主さんだけです。残りの80%の飼い主さんは、そのことをタメライずうっと悩み続ける問題なのです。
メス猫の飼い主の場合、そのニャンに発情が来てメス猫特有の「ギャーギャー」と言う鳴き声を発するようになってきてスプレー行為が始まったときに、またオス猫の飼い主の場合、同様に「ギャオウーギャオウー」の雄叫びが始まり、所かまわずスプレーをしまくり始めたときに、あわてて手術の決断をされる方がほとんどです。
その点、ワンの飼い主さんの場合には、「繁殖期における動物の反応」が多少とも穏やかなので、ニャンの飼い主さんよりは「不妊の手術」に至る決断が、鈍るケースが多いと言えます。同性として、家族として、父の権威として、その決断を下したことによって、娘に嫌われないかとの懸念もあって、「迷い揺れる」そのお気持ちは良くわかります。
しかし、かた先生は貴方が「どちらかの一方に」決断できるように、貴方の「抱える難問にお答えしたい」と思いますので、次のように要点を整理しました。

  • 手術を受けることによる、メリットとしての病気予防、性格や行動改善の問題についてはここでは触れません。貴方は、既に私の書いた「去勢・避妊手術のメリット・デメリット」を呼んで頂いているからです。
  • 逆に、手術を受けなかったことによる問題点は、オス・メスとも次の項目に絞れると思います。
    オスなら;
    1. オシッコを、あっちこっちにヒッカケル。  ニャンならスプレー行為を過度にする。
    2. 多少、気が荒い。
    3. 繁殖期には、外に出たがる。
      ニャンなら「ギヤオウーギャオウー」の雄叫びをする。
    4. 人前でも、腰を振り、オチンチンを出す等のハレンチ行為をする。
    メスなら;
    1. 発情期に、陰部よりの出血がある。
      ニャンならスプレー行為を過度にする。
    2. 繁殖期に、外に出たがる。
      ニャンなら「ギャーギャー」と騒ぐ。
    3. 妊娠して、子どもを作る。

これらの事を、飼い主が「管理」し、「しつけ」をし、うまくコントロールができるかどうか?と言うことなのです。
つまり、「手術を受けるか、否か?」の重要ポイントは、これらの人の社会にとって好ましくない問題を、「貴方がどこまで我慢できるか?」 と言うことです。もし、貴方が「我慢できる」なら、手術を受ける必要などありません。「捨てられて、殺処分される犬・猫が増えているから避妊手術・去勢手術を受けなさい」と言う呼びかけで、手術を考えるのは間違っています。
貴方は犬猫を捨てる人ではないからです。自分と、自分のペットにとってどういうメリットがあるか?で判断してください。「人とペットとの良好な関係」とは、もっと「調和のある」関係です。
加齢が進んで(年を取ってから)ホルモン性の異常から発生する病気がありますが、発症する確立はかなり低いものです。「必ずその病気になる」と言うものでもありません。

人間社会のことを考えてみてください、男性も女性も動物の世界と同じように、ほぼ半数ずついます。
その昔のアラビアンナイトのお話のあった頃の、ハーレムや宮殿の「特殊な場所」にいる男性は「去勢手術」をされたと、本で読んだことがありますが、現代では「パイプカット手術」を受けることがあっても、去勢〔睾丸摘出〕手術まですることは、特殊な病気の治療のためにする以外はありません。
男性であろうと女性であろうと、ほとんどの人々は「睾丸や卵巣や子宮の摘出手術」を受けないで、一生を送るものです。それでも、無事に天寿を全うしています。 
要は、貴方の「我慢の範囲なのかどうか?」なのです。範囲内なら、受けない。範囲外なら、受ける。これで、どうですか。
もちろん、私は獣医師ですから「相談を受ければ」手術を受けるようにお薦めいたしておりますが、私の犬はその種の手術を受けておりません(アッ!いらんことを言ってしまった!反省)。

かた先生

日頃の疑問、質問にお答えしているコーナーです。
お手紙でご質問いただいた内容について、私はこういうふうに考えて(独断と偏見?)、日常の解説に当たっております。

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